イリディアンのフィルターはハードコーティングされたフィルターですが、デリケートでもあるため、他の光学部品と直接接触することを避けるか、または最小限に抑えるように注意しながら取り扱う必要があります。 イリディアンのフィルターは全て、下記に推奨する方法でクリーニングすることができます。
クリーニング手順:
1) フィルター表面の汚れの多くは、その表面に軽く付着しているだけなので、窒素で吹き飛ばして除去することができます。 実験用手袋または指サックを着用して、片手でフィルターを保持します。 常に、弱~中程度の強さのエアフロ―を使用し、フィルターに対するエアフロ―の角度を斜めに維持します。最初は、フィルターから離れる方向に空気を流し始め、その後はエアフロ―をフィルター表面全体にわたって、角度をつけてゆっくりと移動させるようにしてください。 フィルターの反対面においても、この作業を繰り返します。
2)埃や細片がまだ残っている場合は、機械的に力または有機溶剤によってそれらを除去する必要があります。 キムワイプを三角形に折り畳むか、綿棒に巻き付けて、しっかりとした尖った先端部を作ります。 そのキムワイプまたは綿棒を、メタノールまたはアセトンで湿らせます。このとき、含ませる溶剤の量が過剰にならないようにしてください。 キムワイプまたは綿棒に上記溶剤を過度に染み込ませてしまった場合は、それらを軽く振るか、または別のキムワイプに軽く押し当てて、余分な溶剤を除去します。 クリーニングを行うたびに、新しいキムワイプまたは綿棒を使用してください。
メタノールとアセトンにはそれぞれ、長所と短所がありますのでご留意ください。 一般に、アセトンなどの高活性の溶媒は、より広範囲の汚れをより迅速に除去しますが、メタノールよりも速く揮発します。 アセトンは優れた洗浄効果を発揮しますが、乾燥するのが非常に速いため、表面に残留物が残ります。 メタノールは、汚れを全て除去するには何度も拭き取る必要がありますが、乾燥するのが遅いため、フィルターの表面に溶剤が残留するリスクは軽減します。
綿棒またはキムワイプを一定の速度で動かし続けることを推奨しますが、このとき、綿棒またはキムワイプに圧力をかけないようにしてください。 また、クリーニングは、円を描くようにして、フィルターの中心から始めてフィルターの外側に向かって行うことを推奨します。 拭き取り動作を停止するたびに、その時点の残留物が表面に残る可能性があります。そのため、綿棒を光学部品の表面から離すまで、一定のスピードで拭き取り続けてください。
3) 高輝度の光源を使用してフィルターを検査し、フィルターに汚れがないことを確認します。 フィルターを傾けたり、回転させながら、フィルターに目を近づけて観察します。 汚れが残っている場合は、新しいキムワイプまたは綿棒を使用して、上記手順2を繰り返します。
4) フィルターの反対面に汚れがある場合は、手順1~3を繰り返します。