単一の基板上でスペクトル性能を空間的に変化させる機能は、光学設計者にとって多くの利点があります。 イリディアンは、組立式マルチゾーンフィルターアレイとパターン形成されたマルチゾーン光学フィルター(またはマルチスペクトルフィルター(MSF))の両方を提供し、増大するこれらの製品へのニーズに応えています。 イリディアンのMZF製品の特徴:
- フィルタータイプ:
- ロングパスフィルター(LPF)/ショートパスフィルター(SPF)
- バンドパスフィルター(BPF)
- ノッチフィルター
- 黒色吸収コーティング
- 反射防止コーティング(AR)
- 高反射器(HR)
- 波長範囲:
- UV領域(300nm)から長波長赤外領域(LWIR、15um)
- サイズ、スペクトル性能、およびレイアウト(ゾーンの数やサイズ)のカスタマイゼーション
- モノリシックパターン形成アレイ
- 「Butcher-block」組立アレイ
- 組立とパターニングとを組み合わせたハイブリッドアプローチ
マルチゾーンフィルターが提供する機能は、多様なアプリケーションで利点があります。 イリディアンのMZF技術は、下記のようなアプリケーションに導入されています。
- マルチスペクトルイメージング:リモートセンシング(環境分析、宇宙事業、防衛、セキュリティ)
- マルチゾーンフィルターホイール:3Dシネマプロジェクション(「右目」・「左目」イメージ)
- 分光器用またはCCD用オーダーソーティング
イリディアンのMZF性能は、当社の最先端技術を活かし、当社の定評のある誘電体ハードコーティング技術によって、信頼性と光学性能に対して期待以上のものでお応えします。 イリディアンのMZFは、お客様が定めた要求仕様に加えて、宇宙で使用するための耐久性と信頼性に関する要求仕様(標準MIL仕様)も満たします。
組立品
当社のマルチゾーンフィルター組立アプローチは、多くのバンド、複雑なフィルターコーティング、またはコスト面での制約が求められるマルチスペクトルイメージングアプリケーションにおけるニーズに対応しています。 このアプローチにおいて、別個の基板にコーティングを蒸着させた後、それらの基板を堅牢な組立方法により接着します。 この組立品は、<100μmのゾーン間遷移を可能にし、最大10種もの異なるスペクトルバンドで製造されます。これにより、単一の検出器をマルチスペクトルイメージング装置にすることができます。
組立式MZFは、パターン形成された黒色コーティングを含み、個々のゾーンの希望の開口径を定義し、ゾーン間の継ぎ目やアレイの外縁での散乱光と迷光を低減することが可能です。
上記画像は、カナダ宇宙庁(Canadian Space Agency)の宇宙技術開発プログラム(Space Technology Development Program)のために、ABB Canada社からの下請け契約のもとで開発した、3um~13umの10個のバンドパスフィルターを備えたMZFを示しています。
パターニング
狭い遷移ゾーンまたは組立てでは実現不可能なパターンを必要とするアプリケーションには、イリディアンのパターン化マルチゾーンフィルターが最適です。
イリディアン社内のフォトリソグラフィラボには、クラス1000のクリーンルームがあり、最大150mmの直径を有するウエハのパターニングが可能です。 多段階パターニングによって、最大5つの異なるゾーンとわずか20μmのゾーン間遷移を備えたMZFを製造することが可能です。
パターン形成されたMZFは、個々のスペクトル帯域を分離するための黒色コーティング遷移ゾーンを含み、これによって検出器でのクロストークのリスクを低減できます。